「感情のブレは身体にも伝わっている」
私たちは日々、怒り・不安・悲しみ・緊張など、さまざまな感情を抱えて生きています。
多くの場合、それらは「気分の問題」として処理されますが、感情のブレは、しばしば身体症状として現れることがあります。
感情がどのように身体症状として影響してくるのか、なるべく分かりやすく書いていきたいと思います。
感情は「脳」だけの出来事ではない
感情が生じると、脳内では扁桃体・視床下部・前頭前野などが連携して働き、自律神経系やホルモン系に信号を送ります。
この信号により、骨格筋の状態、姿勢や表情、心臓や胃腸の働きなど、
身体機能の全てが感情により瞬時に変化します。
この、切り替えを担っているのが ” 自律神経 ” であります。
自律神経は下記の二つから構成されています。
- 交感神経:緊張・不安・怒りで優位に
- 副交感神経:安心・リラックスで優位に
この切り替えや、バランスがうまくいかない状態が続くと、身体に不調が現れやすくなります。
「感情 → 身体症状」への流れ
” 怒り・不安・悲しみ・恐れ ” などの負の感情
この感情に1日や2日さらされたところで、そこまで身体に影響する事はないと思いますが、
1年、5年、10年と持続的にさらされ続けると話は変わってきます
長期的なストレスに身体が悲鳴を上げ、
軽い症状から、重篤な疾患にまで発展する可能性もあります。
ストレスという目に見えないモノが身体疾患に繋がっていく、
そのメカニズムを紹介いたします。
負の感情(ストレス)は命を守るためにあった
怒りや恐怖は本来、肉食動物から ” 逃げる・戦う ”といったような命の危機に直面した状況で発揮する、
命を守るための反応でした。
闘争・逃走反応とも言われ、
自律神経の一つ、交感神経が優位な状態のことをいいます。
このストレス、本来は短期的なものでした。
「5分後に生きているか、それとも・・・なのか」
現代ではこれを、1年、5年、10年と抱え続けます。
長期的に闘争・逃走が続いている状態
それは、
毎日、四六時中、ライオンに睨まれている環境と同じです。
身体はずっと緊張状態、寝れない、内臓は動かない、呼吸は浅く、生きた心地がしない。
ストレス状態を維持することで
その脅威から命を守ろうとしています。
▶ 背景:交感神経の持続的な緊張
交感神経が身体状態を切り替える
ストレス時に交感神経が優位になると
”闘争・逃走反応”とは名のごとく、
身体の機能は闘争・逃走状態へと瞬時にスイッチされます。
・筋骨格系の働き
・内臓の働き
・循環器の働き(心臓)
・内分泌の働き(ホルモン)
全てが、戦うための、逃げる為の緊急モードに切り替わります。
食事、睡眠、リラックスとは真逆の反応
戦う・逃げる為の
筋肉・関節の働き、内臓の働き、ホルモンの働きに
全てが瞬時に切り替わります。
▶ 交感神経の作用
交感神経の長期持続が及ぼすダメージ
”交感神経の興奮”いわゆる闘争逃走反応は本来は短期決戦であり、
長期的な持続に対して、私たちの身体はデザインされていないのです。
『 関節や筋肉へのダメージ 』
ストレスを感じると、交感神経が瞬時に発火して、全身の筋肉を緊張させます。
その際に緊張が強くなる筋肉をアウターマッスルと呼びます。
骨格筋はアウターマッスルとインナーマッスルに、大きく二つに分けられています。
このアウター(表層)とインナー(深層)にある筋肉はそれぞれで役割が違います。
おおまかに
・インナー(深層)は安定性
・アウター(表層)は運動性
であります。
この二つの筋肉は、交感神経と副交感神経の
どちらが優位であるかで働きが変わります。
” 交感神経が優位で、アウターマッスルが優位に ”
アウターマッスルは闘争と逃走の筋肉
力の強さ・速さ(攻撃と逃避)と
身体の大きさ(威嚇と防御)を得意とします。
その反面で、安定性と繊細な動きは苦手になります。
硬くぎこちない動きが中心になります。
さらに、姿勢や表情にも瞬時に影響します。
(ネコが怒った時の表情と姿勢をイメージしてみてください。)
まるで、筋肉の鎧を着たように守り固めます
この交感神経でスイッチされる、
アウターマッスル優位での動作は、
関節や筋肉に構造的な負担をかけます。
この状態が数十年と長期的に継続する事で、関節へのダメージが深刻になる可能性があります。
『 内臓への影響 』
交感神経が優位に働いている時には、内臓機能は大きく低下してしまいます。
というのも、戦っている時や逃げている時にお腹が減ったり、眠たくなったり、便意を催しても困りますよね。
身体で作られたエネルギーの多くが骨格筋へと向かう事になる
野生の頃の私たちは、この一瞬が命がけでした。
この間、内臓は働かない、消化や吸収といった余裕なんてありません。
交感神経優位が長期化する事で内臓の症状へとつながる可能性が出てきます。
便秘:腸の機能が低下して便の停滞
潰瘍:粘膜を守る粘液分泌が減少傾向
多汗:交感神経過活動にて異常発汗
ドライマウス:唾液の減少、粘り気の強い唾液
さらに、
ストレスが長期化することで、交感神経自体にも疲労が生じてきます。
交感神経の活動が低下してくると、副交感神経とのバランスが逆転する事もあります。
すると、副交感神経由来の症状が出る状況にもなってきます。
下痢
胃痙攣
過敏性腸症候群(IBS)
etc...
さらに、お互いに乱高下を繰り返すような状態になると様々な症状が発現し、
いわゆる、
自律神経失調症と言われるような状態に陥ります。
そこから生まれる疾患は多岐にわたる事でしょう。
「気のせい」ではなく、実際に起きている身体反応
感情による身体症状は、決して想像や弱さの問題ではありません。
- 自律神経
- 内分泌(ホルモン)
- 免疫系
これらが相互に影響し合うことで、実際の生理的変化として症状が出現します。医学的には「心身相関」「心身症」という概念で説明されます。
身体症状は「こころからのメッセージ」
身体症状は、言葉にならない感情の代弁者ともいえます。
感情の行く先であり、なによりも正しい表現であります。
- 氷を食べる、爪をかじる、口が開いてる、といった動作一つ
- イライラ、不安、恐怖は身体に表現される
- 姿勢、行動、その全てに練りこまれる
- 人間との関わりの中で生まれるモノ
- 小さな蓄積が大きな塊となる
何度も何度も、小さなサインはあったはずです。
わたしを知る、身体を知る、心を知る。ここが繋がる
「 命が何を訴えているのか、耳を傾けた先、癒える世界がある 」





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