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てんかんとは?
てんかんとは、脳の神経細胞(ニューロン)の過剰な電気的興奮により、発作を繰り返す慢性的な疾患です。
通常、脳内では興奮性(グルタミン酸系)と抑制性(GABA系)のバランスが保ちながら、神経細胞同士が電気的な信号をやり取りすることで、運動・感覚・意識・感情などを統合しています。
このバランスが崩れることで異常放電が生じ、発作として現れます。
主な分類(国際抗てんかん連盟:ILAE分類)
① 発作型による分類
● 全般発作(Generalized seizures)
脳全体に同時に異常放電が広がるタイプ
・強直間代発作(いわゆる大発作)
・欠神発作(数秒間の意識消失)
・ミオクロニー発作(瞬間的な筋収縮)
・脱力発作(突然力が抜ける)
● 焦点発作(Focal seizures)
脳の一部から発作が始まるタイプ
・意識保持焦点発作(旧:単純部分発作)
・意識障害焦点発作(旧:複雑部分発作)
・二次性全般化発作(部分発作から全身へ広がる)
② 原因による分類
・構造的要因:脳腫瘍、外傷、脳血管障害など
・遺伝的要因:イオンチャネル異常など
・感染性:脳炎、髄膜炎など
・代謝性:低血糖、電解質異常など
・免疫性:自己免疫性脳炎など
・原因不明(特発性)
てんかんの症状
症状は発作の型と発生部位により大きく異なります。
主な症状
・全身けいれん(強直・間代)
・意識消失
・一点凝視
・反応低下
・自動症(口をもぐもぐする、手を動かすなど)
・感覚異常(異臭、異音、既視感・未視感)
・自律神経症状(発汗、動悸、吐き気)
前兆(前駆症状・オーラ)
一部の焦点発作では、発作前に以下のような前兆が現れることがあります。
・胃の不快感(上腹部からこみ上げる感覚)
・強い不安感や恐怖感
・においや音の異常知覚
・見慣れた風景が異様に感じる(既視感)
これは発作の開始部位(側頭葉など)に関連します。
病院での検査・診断
てんかんの診断は、単一の検査で確定するものではなく、複数の情報を統合して行われます。
① 脳波検査(EEG)
・発作間欠期のてんかん性放電(棘波・鋭波)を検出
・長時間ビデオ脳波モニタリングで発作との対応を確認
・過呼吸・光刺激による誘発試験
② 画像検査
・MRI(特に高解像度):皮質形成異常、海馬硬化、腫瘍などの検出
・CT:急性病変や出血の評価
③ 機能的検査(必要に応じて)
・PET(糖代謝低下部位の評価)
・SPECT(発作時の血流変化)
④ 血液検査
・電解質異常(Na, Caなど)
・血糖値
・肝・腎機能(薬剤選択にも重要)
⑤ 鑑別診断
てんかんと似た症状を示す以下の疾患との区別が重要です。
・失神(血圧低下による)
・心因性非てんかん発作(PNES)
・不整脈
・一過性脳虚血発作(TIA)
一般的な対処法
① 薬物療法(第一選択)
抗てんかん薬(AED)により神経の過剰興奮を抑制します。
主な作用機序:
・Naチャネル遮断(カルバマゼピンなど)
・Caチャネル調整(エトスクシミドなど)
・GABA作用増強(バルプロ酸など)
約70%の患者で発作はコントロール可能とされています。
② 外科的治療
薬剤抵抗性てんかんに対して検討されます。
・焦点切除術(側頭葉切除など)
・迷走神経刺激療法(VNS)
・深部脳刺激(DBS)
③ 生活管理
・睡眠不足の回避(発作誘因として重要)
・ストレス管理
・アルコール制限
・光刺激の回避(光過敏性てんかん)
まとめ
てんかんは、
脳内の神経活動のバランスが崩れることで、
発作を繰り返す慢性的な疾患です。
その背景には、
構造的・遺伝的・代謝的・免疫的要因など、
複数の要素が関与しており、
一つの原因だけで説明できるものではありません。
発作の現れ方は多様で、
全身のけいれんのように明確なものから、
短時間の意識の途切れや感覚の異常といった
外から分かりにくいものまで含まれます。
そのため診断は、
脳波や画像検査に加え、
実際の発作の経過や状況を含めて総合的に判断されます。
治療の中心は
抗てんかん薬による神経の過剰興奮の抑制であり、
多くの場合、適切な薬物療法によって発作のコントロールが可能です。
薬剤で十分な効果が得られない場合には、
外科的治療や神経調節療法といった選択肢も検討されます。
あわせて、
睡眠やストレスといった
日常的な要因の管理も、
重要な柱となります。
////////// ここからが、とても大切 //////////
とくに見落とされやすいのが、
発作そのものが新たな負荷を生むという側面です。
発作への恐れや不安は、
睡眠の質を低下させ、
慢性的な緊張状態をつくります。
睡眠不足や持続するストレスは、
自律神経や脳の興奮性に影響し、
神経系をより過敏な状態へと傾けていきます。
その結果、
・小さな刺激でも反応しやすくなる
・発作の閾値が下がる
・発作の頻度や強さが増す
といった流れが生まれることがあります。
さらに言えば、
こうしたストレスや緊張の積み重なりそのものが、
発作の背景として関与している可能性も否定できません。
てんかんは「発作」という一点だけで捉えるものではなく、
・神経系の状態
・生活のリズム
・心理的な緊張
・そして、身体の状態
このような複数の要素が重なり合う中で現れます。
だからこそ、
発作を抑えるための医学的なアプローチに加えて、
☆身体が過剰な興奮状態に傾き続けないよう整えていくこと
この両方が重要になります。
発作と、それを取り巻く状態の循環に気づき、
少しずつでもその流れを緩めていくこと。
それが結果として、安定した状態へとつながっていきます。





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